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2026年3月17日㈫ 予算特別委員会(総括質問)2026年04月01日

令和8年度当初予算を巡る予算特別委員会において、自由民主党会派を代表し総括質問に立ちました。

「躍動する兵庫」を実現するため、未来への投資と財政規律の両立を知事に真正面から問いただしました。

あわせて、物価高から県民の暮らしと中小企業を守る対策、医療体制の強化、障害者施策の充実についても強く求めました。

さらに、地場産業の海外展開、農業振興、防災・減災の要であるインフラ整備、教育現場の改革など、先送りできない課題に対し、具体的な対応を迫りました。

言うべきことは言い、やるべきことはやる。

県民の暮らしと地域経済を守り抜くため、これからも結果にこだわり、本気でヤル気で行動してまいります。

1 躍動する兵庫の実現に向けて
(1)未来への投資の考え方について
(2)今後の財政運営について
2 「ひょうご障害者総合トレーニングセンター(仮称)」の整備について
3 公立病院間の連携体制の構築について
4 中東情勢の悪化による県内への影響と今後の対応について
5 日本酒「GIはりま」等の地場産業の海外展開について
6 「人と環境にやさしい農業・農村振興条例」について
7 土木インフラ整備の着実な推進と投資事業費の確保について
8 中学校部活動の地域展開における県の役割について

 

○北野 実委員  おはようございます。自民党会派を代表して、総括の質問をさせていただく。
まず、令和8年度というのは、厳しい財政状況の中で、知事がおっしゃる躍動する兵庫の実現を行っていくわけであるが、やはり現在の副知事1人体制というのは、しっかりと2人体制に整えていただいて、それを実行、実現をしていただきたい。そのことをまず申し上げて、質問に入りたいというふうに思うので、どうぞよろしくお願いを申し上げる。
躍動する兵庫の実現に向けてである。
閉塞感漂う現代社会を打破し、強く豊かな日本列島をつくるという誇りと自信と、やり遂げるという覚悟を込めた言葉を信じ、国民の圧倒的な支持を得て第2次高市早苗政権が誕生した。全ての国民が注目する中で、地方自治体もその支持や言葉に呼応し、積極的な財政出動による大胆な投資に大いに期待をするところである。
日本の縮図と言われる兵庫県においては、歴史や伝統のある地場産業、但馬牛、山田錦はじめブランド力ある農林水産業をはじめ、成長経済の源と言われるAI・半導体、航空、宇宙、造船などの成長投資の戦略分野のものづくり産業など、多くの産業が集積しており、また、危機管理投資として挙げられる国土強靭化への投資も震災の先進県として未来に先送りすることはできない。加えて、五国からなる多様性とポテンシャルに支えられ、先人の方々が築き上げてこられた次代へつながる成長へのスイッチが県下各地に存在する。成長のスイッチを押して押して押しまくるという現政権の考えに応えることができるコンテンツやポテンシャルが数多く存在する兵庫県である。
大胆な投資により、力強い経済成長につなげ、税収の増加を通じて更なる投資を可能にする投資と成長の好循環を生み出す高市政権の危機管理投資・成長投資はじめ、国内投資促進のために、民間事業者や地方自治体の取組を後押しする責任ある積極財政という政権の方針を、この躍動する兵庫の実現にどう結び付けるのかが鍵となるのではないか。
そこで、未来への投資の考え方についてお伺いする。
高市政権が緊縮財政ではなく責任ある積極投資への転換と力強くかじを切る一方で、兵庫県は3兆円を超える多額の実質的な県債残高に対し金利上昇が大きな財政負担となり、令和10年度までの収支不足額の見通しが160億円から530億円に悪化し、難しい財政運営を余儀なくされることとなった。言うまでもなく一般財源をどの程度確保できるかが円滑な財政運営の可否に直結することとになる。
しかし、好調な企業業績などを背景に、県税収入は1兆円を超え過去最高を更新したものの、一般財源は、政府の骨太方針により、地方一般財源の総額は前年度同一水準とされている。
金利上昇の大きな影響を受けた県債残高増の要因は、震災関連県債はじめ、その償還対応のための財源対策債の発行、加えて知事は、過去十数年にわたり、類似団体に比べ高い水準での投資事業を行ってきたことを挙げられた。後の項目でも取り上げるが、それにより守られた県民の生命や財産があることは、見逃せない事実である。
知事の提案説明では、歳出の適正化とともに、人材育成をはじめとする将来への投資も着実に進めることが、長期的に次の世代の負担軽減へとつながることを忘れてはならない。この視点を大切に、財政健全化と未来への投資の両立を図っていくとある。知事の言われる未来への投資の未来が若者を指されているのであれば、若者Z世代応援パッケージの後退や縮小などの影響は考えにくだろう。一方、地域にとっての未来への投資は、インフラメンテナンス整備や防災・減災に関わる基盤整備であり、将来にそれを先送りしないということで、地域の発展、そして人口減少対策にもつながる重要な投資となる。将来世代に安全なインフラや豊かな地域を継承してくための投資も、未来への投資であり、全地域、全世代に未来がある。
我が会派の代表質問において、財政健全化と未来につなぐ投資が両立できる財政運営を検討するとの答弁があった。有識者で構成する検討会で今後の財政運営の在り方を検討する中で、未来につなぐ投資をどのように捉え財政健全化と両立させるのか、アクセル、ブレーキを同時に踏んで県政を前に進めるようにも感じられる。また、余裕のある財源を活用して事業ができるという状況にはなく、予算面では各事業間がトレードオフの関係取らざるを得ないそういう状況でもある。現在でも多様な意見のある県立大学授業料等無償化は、今後毎年20億円が必要になる。これだけの予算規模があれば、産業振興や県土の強靭化、介護や医療の充実等に活用できるのではという考え方もあると思う。
そこで、責任ある積極財政を唱える国の方針もある中で、齋藤知事が考えられる、兵庫の発展のための未来への投資とは何か、また、厳しい財政状況であっても、どういった分野を念頭に置いて兵庫の将来像を描いていくのか、ご所見をお伺いする。

○知事(齋藤元彦)  お答えする。
本格的な金利上昇局面を迎える中、投資的経費の抑制、そして事務事業の見直しなど、歳出の適正化を着実に進めていくことは、県政運営において避けては通れない課題であると認識している。一方で、教育や人材育成など将来への投資を過度に抑制すれば、中長期的には地域の活力を損ない、次の世代への負担が増すというおそれもある。このため、財政の健全化と併せて、未来への投資を着実に行っていくことが重要だと考えている。
例えば、若者への支援は、次の時代の地域社会や産業を支える人材を育てる分野である。こどもから高齢者まで全ての世代が豊かで安心して暮らせる社会の維持にもつながる。また、産業競争力を高める投資は、雇用を維持・創出し、税収基盤を強化する上で欠かせない。さらに、こうした人や産業活動は、安全・安心の基盤があってこそ成り立つものであり、インフラの適切な維持管理なども重要な課題だというふうに考えている。
これらは未来への投資の一例である。大切なのは、県民の安全・安心や地域の活力向上に資するもの、そして中長期的に財政の基盤の強化につながるか、そして将来世代に過度な負担を残すことはないかなどの観点から総合的に判断していくこととなる。
こうした考え方のもと、毎年度の予算編成などを通じて、施策の必要性や効果を丁寧に検証するとともに、ご指摘いただいた、国においても責任ある積極財政を進めるという方針もある。国のほうにおいても地方財政措置、交付税措置などの更なる充実をしっかりやっていただくということが兵庫県のみならず全国の自治体にとっても大事だと考えているので、そういった国への取組にもしっかり期待、要望しつつ、限られた財源の中で真に必要な投資を見極め、兵庫の持続的な発展を目指していきたいと考えている。

○北野 実委員  県民の安全・安心を一番の重点として考えておられることを聞いて、本当に安心した。また、国への取組も、しっかりと兵庫のいろんな意味でのこれからの県政運営に役立てていただくような取組を働きかけていただきたいと思っている。
我々は過去の投資で間違いなく今がある。守られたものも幾多もある。例えば、30年前の阪神・淡路大震災からの復興は、単なる復旧、ただ単に元に戻すのではなしに、財政が厳しい中であったが、成し遂げた創造的復興により、今どこにも負けない兵庫が存在しているというふうに思う。まさしく未来への投資であったというふうに思っている。加えて、震災の被災県がゆえに防災・減災国土強靱化への投資を図り、安全で安心して暮らせる地域社会が確保できたというふうにも思っている。先人の過去の未来への投資の功績は大きく、私は評価されるべきだというふうに思っている。知事も同感であるというふうに思っている。
まさしくこれから30年、50年後の兵庫の未来を想像して、この困難な状況を乗り越えて、まさに知事が言う、希望をつなぐ、未来をつくるかである。そのためにも、県民、また市町、自治体、民間企業、そして議会が兵庫ワンチームとして、そして兵庫県庁が先頭に立って知事のリーダーシップとともに、早く行きたいなら一人で行きなさい、遠くへ行きたいならみんなで行きなさいの精神で、しっかりとワンチームになって、未来への責任ある政治を実行していきたいというふうに考えている。それと、それを実行するには、間違いなく堅実な財政運営が絶対である。
次に、今後の財政運営について質問をさせていただく。
令和8年度当初予算案において、金利上昇などに大幅な収支不足が生じている。金利上昇は兵庫に限った事象ではないが、本県財政に大きな影響が生じているのは、将来負担比率が全国ワーストとなっていることからも自明であり、県債残高が多額であるためである。
金利上昇は財政転換の大きな決め手となったが、財政に影響を及ぼす要因はここ数年、積み重なってきていた。令和5年度の県立大学授業料等無償化方針を打ち出したに始まり、同年、分収造林・地域整備事業の負の遺産処理、令和6年度の新庁舎整備など大きな決定が相次いだ。それぞれは意義があっても、積み重なることで財政フレームには大きな負荷がかかっていたのは確かで、直近フレームでは収支不足が令和10年には220億円、実質公債費比率は単年度23.6%まで悪化している。
当局からは、財政フレーム上の問題について特段の説明はなく、議会も議決をしてきたわけであるが、気が付けば危機的な財政運営となっており、そこに金利上昇という潜在リスクが顕在化し今の事態に陥っている。結果論であるが、現在の状況は起こるべくして起こったのではないか。リスクが顕在化しなければ、内閣府の指標次第ではフレームが改善し、また、近年の税収上振れが続けば何とか回ったのかもしれない。県政の大きな方針決定は、潜在的リスクが顕在化しても財政が耐えられるかどうか検証しつつ、計画性を持って取捨選択、進度調整しながら決定する、そういう方法もあったのではないか。今回の財政フレームの公表についても、フレーム上の想定金利、類似団体との比較等について、本会議やこの予算委員会でも質問が相次いだ。
今後の財政運営においては、更なる金利上昇など外的な要因を予測するのは難しいが、例えば、約650億円と見込んでいる新庁舎整備の建設費の高騰、県立病院の経営悪化とその場合の一般会計の支援の必要性、決算剰余を利用している県立大学授業料等無償化の財源は収支不足が発生する中で確実に確保できるかなど、県政運営上、少なくとも県として予見できる財政リスクは多々あると思う。そしてこれらのリスク管理に当たり、財政支出の方向性や優先順位について、議会や県民と情報を共有し、丁寧に対話していく必要がある。国の大胆な投資への呼応、県の未来への投資の実行のためには、今以上の選択と集中を進め、そのための財源も含めた適切な財政運営を求める。
今後、財政構造の検証を踏まえ改革案を検証し、効果額を生み出すための取捨選択という大きな方針決定を迫られることになる。その際には、こうした県として予見できる財政リスクを全て織り込んだ長期収支を見通した上で、改革案を検討すべきと考えるが、当局のご所見をお伺いする。
○財務部長(中之薗善明)  今後の財政運営についてお答えする。
県の政策決定に当たっては、財政フレームにおける今後の収支見通しなども参考に、その時々の財政状況を的確に見極めつつ、判断することが基本と考えている。
しかし、財政フレームは、当初予算時における機械的な試算であることから、このたびの想定以上の金利上昇など急激な社会経済情勢変化に機動的に対応できないという課題を改めて痛感したところである。このため、今後も厳しい財政状況が続く中においては、ご指摘のとおり、本県として予見できる財政リスクを考慮して財政運営を行うことが重要と認識している。
一方、過度に財政リスクを織り込むことは、必要以上の歳出抑制につながり、県民生活に支障を及ぼす可能性がある。
このため、県議会や県民と財政リスクをどう共有するかについては、来年度設置する有識者検討会での議論も踏まえ検討していきたいと考えている。
財政の安定的運営のためには、将来を見据え適切に備えておくことが重要である。改革案の検討に当たっては、財政構造や潜在的リスクを的確に把握した上で、必要な改革や見直しを前広に講じる体制を構築し、景気変動や突発的な財政需要にも柔軟に対応できる、しなやかで持続可能な財政基盤をつくっていきたいとこのように考えている。

○北野 実委員  先ほど部長がおっしゃったみたいに、シシュツ改革進め過ぎて県民生活に支障が生じたら、本当本末転倒のことになる。加えて、外的要因は本当に予測不可能、今も中東問題がどうなっていくかによって、またいろんな税収にも関わってくる問題もある。予見できるというか、現在進行形のリスクをつまびらかに可視化しながら、県政改革方針に生かしていただければというふうに思う。何を言っても、未来の投資も着実に図りながら、本県発展のために堅実な財政運営をよろしくお願い申し上げて、次の質問に移りたいと思う。
次は、ひょうご障害者総合トレーニングセンター(仮称)の整備についてである。
トレセン整備の必要性については、私も昨年12月定例会の一般質問において質問し、知事からは、12月下旬のユニバーサルなスポーツ施設検討会後に提出される最終報告書の内容を踏まえ、県として、全県中核拠点を含め県全体の障害者スポーツ施設の在り方について方向性を出していくとご答弁があった。
その後、ユニバーサルなスポーツ施設検討会がまとめられた最終報告書では、神戸2024世界パラ陸上を契機としたパラスポーツ振興につなげるため、早期のパラスポーツ拠点の整備が望ましいとの提言がなされた。
これを受け、2月定例会の自民党代表質問でも我が会派の谷口幹事長から今後の取組の方向性について質問し、知事からは、新たなパラスポーツ全県中核拠点の整備について検討を再開し、年度内にパラスポーツ拠点整備構想検討委員会を立ち上げ、来年度に整備構想を取りまとめていくとご答弁いただいたところである。
令和3年度に凍結されたセンターの整備について検討を重ね、前に進められるとのご判断、我が会派としてもしっかりと後押しさせていただきたいと思っている。
今後、具体的な検討を進められるものと考えるが、整備に向けてどういったステップで進めていくのか、検討に当たってはどのような関係機関と連携されるのか、また、県の厳しい財政状況を踏まえ、どのように国庫交付金などの有利な財源を確保していくのか、当局のご所見をお伺いする。

○福祉部長(岡田英樹)  ひょうご障害者総合トレーニングセンター(仮称)の整備に向けては、今月末に、有識者や障害当事者で構成するパラスポーツ拠点整備構想検討委員会を設置し、令和8年度にPFI導入調査を含む内部調整を進めるとともに、県の財政状況を踏まえ、有利な財源の確保に向けて国等と協議を行い、国庫補助の獲得を前提に、整備構想を取りまとめていく。
整備構想においては、施設の機能や規模に加え、関係機関や地域との連携の在り方、有利な財源の確保や民間ノウハウを活用した管理・運用手法等について、総合的に検討していく。
関係機関との連携については、建設予定地に隣接する障害者スポーツ交流館との一体的な管理運営や、また、プロアスリートのリハビリ復帰支援を行う県立リハビリテーション中央病院スポーツ医学診療センターや、義肢・装具利用者の訓練・指導等を実施する福祉のまちづくり研究所との連携強化のほか、障害者スポーツ応援協定を締結している企業・団体・大学等との連携について検討していく。
有利な財源の確保については、施設整備が対象となる国の地域未来交付金や、日本スポーツ振興センターによるスポーツ振興くじ助成金の獲得を目指すとともに、応援協定を締結している企業・団体・大学等との連携によるネーミングライツなど民間活力の積極的な活用、さらには、県民の皆様にご理解・ご支援いただける寄附の仕組みなど、幅広い財源確保策を検討していく。

○北野 実委員  ミラノ・コルティナ冬季パラも昨日閉会され、パラスポーツというのを非常に注目をする中で全国民が注目しているわけであるし、県下でもパラスポーツで活躍する個人・団体の方たくさんいらっしゃって、先日、スポーツ振興議連でも、県下で活躍された、さきの夏季デフリンピック東京大会バトミントンで金メダルを取られた須磨区の太田歩さんを表彰させていただいたりしている。
兵庫県が誇る県立リハビリセンター中央病院の、先ほどもおっしゃったが、スポーツ医学診療センターとの連携というのは非常に重要であるというふうに思っているし、そして、その隣接地にパラスポーツのトレーニングセンターができるということに関しては、本当にほかに類を見ない、全国に類のないすばらしい施設になるというふうに思っている。この間、岡田部長もトレセンに関われて、最後の有終、本当にいろんな意味で形付けてから次のところへ動かれるということであるので、よかったなというのが本音である。ぜひこれを実現に向けて我々もしっかり後押ししていきたいと思うので、どうぞよろしくお願い申し上げる。
次の質問に移る。
次は、公立病院間の連携体制の構築についてである。
医療機関の経営状況の悪化が、全国的な課題となっている。
特に、公立・公的病院をはじめとする地域の拠点病院は、救急医療・周産期医療・へき地医療・精神医療・感染症対策などの効率性だけでは対応できない医療を担い、民間医療資源の少ない地域において重要な役割を果たしているが、もはや経営努力のみでは対応することが困難な極めて厳しい状況である。
さらに、今後人口が少ない地域においては医療需要が減る中で、医療従事者の確保がより困難となる一方、都市部においては医療需要における高齢者の占める割合が高まり、急性期を担う医療機関が多く過当競争となるなど、医療を取り巻く課題はより複雑化し、解決が困難なものとなっていくことが見込まれる。
兵庫県でも、神戸・阪神間の都市部で抱える課題と、但馬・丹波・淡路などの医療機関が少ない地域で抱える課題は異なる。もちろん、地域ごとの医療資源に応じて、県下のそれぞれの地域によって望ましい医療提供体制を構築していくことができれば良いが、一方で、各地域だけの議論では解決ができない課題があることも事実である。例えば、医療資源に比較的余裕のある地域から、医療資源が限られる地域へ循環させるなど、地域の枠に捉われない解決策は、県全体を見渡す広い視野を持たなければ見いだせないのではないか。
地域医療を取り巻く課題は、日本のどの自治体も抱える極めて重要な課題である。このような課題を、日本の縮図と呼ばれる兵庫県において県民一丸となって議論し、全国に先駆けて解決の道筋を付けていくことは、全国に我が県の名を知らしめる好機でもあるとも考える。
県内には数多くの医療機関があり、全ての医療機関を巻き込んで議論していくのは困難である。しかし、県下の自治体同士であれば、知事のリーダーシップのもと連携していくことは可能であるはずだ。
公立病院の経営の悪化は財政支援で一時的に補えるが、根本的な解決にはならない。
県下のどこにあっても必要な医療を受け続けられるよう、県が中心となって、公立病院がお互いに支え合い、持続的に医療が提供できる体制を構築するための議論を始めることができないか、当局のご所見をお伺いする。

○保健医療部長(山下輝夫)  公立病院間の連携体制の構築についてであるが、県では、人口や医療資源等を踏まえて二次医療圏域を設定し、県民が住み慣れた地域で、状態に応じた適切で必要な医療が受けられるよう、地域完結型の医療提供体制の整備に努めているところである。
それぞれの二次医療圏域内では、公立・民間を問わず様々な医療機関が役割分担や連携を行い、救急医療などの採算性の低い診療領域も含めて地域医療を支えており、圏域によって公立病院が果たすべき役割や提供する医療も大きく異なっている。
今後需要が増大する高齢者救急や在宅医療への対応を念頭に策定する、2040年とその先を見据えた新たな地域医療構想においても二次医療圏を基本とすることとされており、県では引き続き圏域の地域医療構想調整会議への医療需給状況や将来推計等のデータ提供、また、アドバイザー派遣等によって、議論の深化や活性化を支援していきたいと考えている。
また一方で、個別の公立病院の安定運営については、診療報酬の適切な見直しや一般会計からの繰出基準の充実と地方財政措置の拡充など、必要な財政支援をあらゆる機会を通じて国に要望するとともに、県として人材確保の観点から、医師少数地域の公立病院に県養成医師を派遣するなど、引き続き医師確保を支援していきたいと考えている。
今後も公立病院が安定して運営され、それぞれの医療圏域内で期待される役割を果すことで、持続可能な地域完結型の医療提供体制を目指していきたいと思っている。

○北野 実委員  今はもう現在、先ほど部長がおっしゃったように様々な連携を図りながら、それぞれの課題解決に向けて県が前向きに取り組んでおられることよく分かった。
ただし、本当にそれぞれ公立病院もやはり兵庫県が中心になって連携をすると、横連携をして、特に都市部と過疎地域との連携は重要かなというふうに、課題が大きく違い過ぎるだけに重要ではないかなというふうに思っている。知事がリーダーで旗を振れば、県下全ての公立病院が連携できて課題解決の大きな一歩に、様々な課題あるが、また一つ大きな一歩につながるのではないかなというふうに思っている。兵庫公立病院連携機構協議会みたいなものを知事をトップに立ち上げていただいて、そういう課題共有をしながら、兵庫県下の医療体制の構築にぜひ努めていただけたらなという思いであるので、そういう設立を提案しておく。
次の質問に移る。
中東情勢の悪化による県内への影響と今後の対応である。
言うまでもなく、この2月28日に開始された米国とイスラエルによる対イラン攻撃と、その後のイランによる報復攻撃により、中東情勢は不透明感が一層増加している。特に海上輸送の要衝であるホルムズ海峡においては、イランが機雷を敷設しているという報道に加え、同海峡を航行中の貨物船が攻撃をされるとというふうな報道もなされており、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖している状況である。
ホルムズ海峡を通過する原油の8割はアジア向けで、とりわけ日本の原油の9割以上は中東からの輸入に頼っている。米国とイスラエルのイラン攻撃以降、原油価格が急騰するなど、日本経済への影響が見られ始める中、高市首相は矢継ぎ早に、国内で備蓄する石油の放出決定を昨日された。また、ガソリンや軽油等への補助の実施も発表したところである。
既に県では、物価高騰や原材料費上昇等に苦しむ県民や県内中小企業に配慮し、はばタン Pay+や企業収益力向上のための施策を補正予算、そして来年度当初予算で措置されているが、今回の事態を受け、一段と厳しくなってきている。県では、中東情勢の悪化による県民生活や県内経済への影響をどのように考えているのか。また、今後対応しようとしているのか。当局のご所見をお伺いする。

○知事(齋藤元彦)  お答えする。
議員ご指摘のとおり、現在、ホルムズ海峡を含め中東情勢の緊迫化が続いている。関係団体や主要企業などへのヒアリングを行っているが、現時点では県内経済への影響というものは、限定的だというふうに聞いている。しかしながら、事態の長期化によるエネルギー価格など様々なコスト上昇や、原材料調達への影響など、特にナフサなどものづくり産業、エネルギー産業への影響というものが懸念されており、先行きを不安視するという声は大きい状況である。企業活動や県民生活への影響というものが懸念される。
したがい、引き続き、情報収集にしっかり努めるとともに、県として、現時点で必要な対策を機動的に講じていきたいと考えている。まずは、企業などの不安の緩和につながるように特別相談窓口を設置したいというふうに考えている。経営全般に関する窓口を、ひょうご産業活性化センター内に、そして資金繰りに関しては信用保証協会などに専門相談窓口を設置し、ワンストップで支援、相談をしていきたいと考えている。
また、原油価格高騰などの影響を受けるなど、今後不安を抱えていくのが中小企業になるので、通常よりも有利な金利が適用できる新たな融資メニューを創設したいと考えている。金融機関や信用保証協会には、相談や新規融資、そして既存融資の条件変更など、積極的かつ柔軟な対応を要請するなど、連携して資金繰りの支援を行っていきたいと考えている。
さらに、事業所だけではなくて、県民の皆さんの家計の応援が大事になる。議員もご指摘いただいたが、はばタンPay+第5弾については明日から受付を開始するが、一般の小売店などでもご利用いただけるが、ガソリンスタンドなどでもご利用いただける店舗があるので、その店舗数をこれから業界団体などを通じて増やしていくということを積極的にやっていくとともに、その利用ができるということも、県のはばタンPayのページなどを通じて県民の皆さんに周知していきたというふうに考えている。
国においては、備蓄の放出、そしてガソリンの補助などの対策を表明していただいている。先行き不透明な状況が続く中であるが、県としても、国や関係団体などと密接に連携しながら、必要に応じて県としての対策を講じることができるように備えていきたい、そして進めていきたいと考えている。

○北野 実委員  先行きがなかなか分からないということで、もう既にガソリン価格などは仕入れが30円ぐらい上がっていて、店頭価格も200円という状況になっている。これは、すぐに消費者にそうやって転嫁できる、また、事業化、BtoBだとなかなか転嫁できなくて、真ん中に立つ事業者が全て負担をしていかなければならないような状況も、実はもう起こっているわけである。だから、そういった県の対応も、国の対応も、素早い対応には非常に感謝するが、今後ますます僕はいろんな問題が各々事業によって起こる可能性があるので、ぜひ聞きながら、伴走しながら、対応を行っていただきたいと思うので、よろしくお願いする。
次の質問である。
日本酒GIはりま等の地場産業の海外展開についてである。
伝統的な製法と特定の地域での生産をもって、品質や評価を満たす酒類に与えられる称号GI、地理的表示を獲得したGIはりまは、原料を播磨地域内の酒蔵が、原料に山田錦、地域内で採水した水を使用することと定めている。ワインをはじめとする食文化からテロワールに理解があるフランスを主たるターゲットとしてPRを展開し、欧州でのPRにおけるネットワークやノウハウを蓄積している。モナコ公国、チェコ共和国、ドイツの国々からも日本酒の催事のオファーが来ていると聞いている。播磨地域の日本酒の海外輸出量は令和2年から右肩上がりで、現在、112万5,000リットルに及ぶと言われている。
日本酒は、従前より兵庫県を代表する地場産業の一つであったが、加えて、2024年12月に伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたことも追い風となっている。パリの北にあるシャンティイ市、シャンティイ城でのレセプションをはじめ、数々のイベントを行い、その成果などにより、2023年9月にパリにオープンしたホテルリッツの高級フランス料理店エスパドンでGIはりまの日本酒が採用されるなど、そのブランド力は大いに高まっている。
さらに、本年10月にはポルトガルのリスボンで世界最優秀ソムリエコンクール、3年に一度開催のソムリエのオリンピックと言われているが、開催が予定されており、GIはりまのPR参加を考えておられるとのことである。フランスを中心としたヨーロッパでのGIはりまなど日本酒の知名度向上は、原料の兵庫の誉である生誕90年、山田錦の上質な酒米がなせる業であり、兵庫の大きな誇りでもある。
そのように、日本酒のパリでの存在価値を高め、様々なサポートを当初より行い、現地の支援窓口として伴走をしてきたのが兵庫県パリ事務所であった。様々な関係者の方々は、パリ事務所なしでは今日はなかったとおっしゃっている。そのパリ事務所が、県政改革方針により令和9年度中には廃止となる予定であり、小さな資本の集まりの酒蔵の方々からは、パリ事務所なくして今後の海外展開などは特にヨーロッパでは考えられないとも言われている。
しかし、これは日本酒に限ったことではなく、パリ事務所廃止後、ヨーロッパにおける兵庫の地場産業、小規模事業者の海外進出は、困難になることが予測される。事務所廃止後のサポートを代わって行う、兵庫県が後ろ盾になったサポートデスクが必要と考えるが、当局としてどのように考えておられるのか、ご所見をお伺いする。

○産業労働部長(小林拓哉)  お答えする。
本県は、世界に開かれた国際性豊かな地域として発展を遂げてきた。その中で海外事務所を設置し、経済や文化、教育など様々な分野で国際交流を進めてきた。近年は、世界の成長活力を取り込むべく、特に経済分野に注力し、本県が有する様々な地場産品等の海外への販路拡大に、県内企業とともに取り組んできた。
とりわけ、本県産業を代表する日本酒では、産地それぞれの希望や実情に応じてきめ細かな支援に努めているところである。パリ事務所が地元地域と連携して支援してきたGIはりまの取組は、本県の魅力を発信する好事例と認識しているところである。
三つの海外事務所の段階的な閉鎖に当たっては、従来培ってきた人脈やノウハウを生かしつつ、経済交流や友好交流などの機能をより効率的かつ効果的に引き継ぐことを目指していく。この中で、経済交流支援については、ひょうご海外ビジネスセンターによる総合的なサポートに加えて、個別の市場動向を俯瞰的に分析できる知識やノウハウを有する民間事業者の活用など、ご提案のサポートデスク機能を含めて県内企業の海外展開を後押しする体制を検討していく。
地場産業の海外展開は、兵庫の魅力を世界に発信する貴重な取組である。NEXTじばさん推進プロジェクト等を活用した産地による主体的な取組の後押しも含め、オール兵庫で支援していく。

○北野 実委員  GI播磨のお酒のことばかり申し上げた。これはもうゲンテンは材料を、原料を山田錦に限定しているという兵庫の本当に誉があるのは山田錦だからこそである。
まさしくヨーロッパの方がGI播磨のお酒を飲んで、原産がどんなところであろうという、まさしくテロワールツーリズムにつながっていくという、1回訪れてみたいなということにもなってくるし、今言ったように、兵庫県の地場産業って、非常にまだまだ世界に誇れる地場産業たくさんあるので、それは小さな事業所であるが、特にヨーロッパというのは、兵庫県という公のそういった旗印があれば、非常にいろんな相手国、相手のそういった地域であり、相手の国であり、県でありというところが非常に対応が違うというふうに聞いているので、ぜひ兵庫県という公の旗印を持ったそういったサポートデスクをつくっていただけるようにご検討いただけたらと思うので、よろしくお願いを申し上げる。
次に、人と環境にやさしい農業・農村振興条例についてである。
少子・高齢化や人口減少、気候変動や国際情勢の不安定化など、農業・農村を取り巻く環境は厳しさを増している。国からは、食料・農業・農村基本法の改正や同計画の策定を踏まえた食料安全保障とのバランスを図りつつ、農業構造の転換が求められている。
本県では本定例会において、持続可能な農業・農村の振興を中長期的に下支えするために、人と環境にやさしい農業・農村振興条例案が上程されている。
国の方針を受けたもので、我が会派が提案した農村振興の要素も反映されており、高く評価する。
農業振興の観点からは、農業の環境負荷、農業資材の過度な輸入依存、生産コスト等についての低減に向けて、環境創造型農業の取組面積の拡大を図るには、有機農業を含む環境創造型農業と慣行農業のすみ分けやハイブリッド経営を促す必要があるが、広域化を含む実効性のある地域計画や基盤整備等に基づいた農地のゾーニングが課題である。
また、農村振興の観点からは、草刈りや多面的機能支払交付金活動等の集落活動の維持を図るために、農村RMOの創設や地域計画の広域化を通じて持続的な運営規模を確保する必要があるが、地域の合意形成や各種関連施策の連携を促す司令塔役を含めた仕組みと人材バンクの構築が課題でもある。
国の農業構造転換集中対策期間と公債費負担適正化計画の策定に伴う財政抑制とが重複する状況下である。ハード・ソフト両面の課題を乗り越えつつ、ひょうご農林水産ビジョン2035を媒体に、国の方針につなぎながら、地域の未来像を実現していくことは、県の大きな責務であり、この条例に期待される役割は大きいものと推察する。
中でも、農村に入り込み、農業者に伴走しながら、スペシャリスト機能とコーディネート機能を発揮して農業者に伴走する農業改良普及センターの職員の方々の産地のプロデュース機能に注目が集まっている。オープンファームや農村RMOをはじめとする農村振興の推進の鍵を握る存在として期待しているところである。
そこで、人と環境にやさしい農業・農村振興条例の制定に当たって、農業構造転換をどのように実現し、本県の農業・農村の持続化につなげようとされているのか、ご所見をお伺いする。

○農林水産部長(守本真一)  委員ご指摘のとおり、農業・農村を取り巻く環境が変化する中においても、将来にわたり農業が持続的に発展し、県民に対する食料の安定供給の確保が図られなければならない。人と環境にやさしい農業・農村振興条例案では、環境負荷低減と生産性向上の両立を図ることを旨とし、従来の精算方式である慣行農業とのバランスに配慮すること、また、農業者や地域の住民など関係者の連携・協働を図ることを基本理念としている。
こうした基本理念を踏まえ、持続可能な農業・農村づくりには、一つには、地域に応じた環境に配慮した生産方式の導入促進、二つには、農地の集積・集約化や営農の広域化等による地域構造の再編、三つには、地域の協働活動を実践する人材育成等、これらを包括的に支援する必要があると考えている。
このため、生産者個々の経営方針や産地の役割を踏まえた有機農業や環境創造型農業の導入、地域での合意に基づく有機農業との団地化を図っていく。また、実効性のある地域計画への見直しを進めるとともに、基盤整備等を通じた作物や生産方式に配慮した農地の集積・集約化、農村RMO等の協働体制の構築を目指す。あわせて、こうした取組を地域で牽引するリーダーやサポート人材の育成等を進めていく。
推進に当たっては、県による市町や地域への伴走支援が欠かせない。県職員等のコーディネート力を強化するとともに、専門人材の活用と併せて人材バンク的な仕組みにより、地域の合意形成と確実な実践を支援していく。とりわけ、現場で農業者に寄り添う農業改良普及センターの普及指導員は、これまでの産地育成や集落営農の推進で培ったノウハウ等も生かし、地域の関係者をつなぎ、合意形成の場をリードして支援していく。
こうした取組を着実に進めるため、来年度、全庁的な推進体制をはじめオーガニックビレッジ取組市町やJAなど関係者が協働する体制を構築するとともに、取組の意義や役割に係る県民の意識醸成を図ることにより、本県農業・農村の持続化につなげていく。

○北野 実委員  部長から本当に前向きな、条例というのは本当に実行するための条例にしていくという力強いお言葉をいただいた。本条例案というのは、命の源である食と農に関して生産者と消費者、農村と都市部が深い相互依存関係にあることを理解し、支え合うことを訴える内容でもある。我が会派の要望内容を十分に反映されており、大いに期待している。SDGs未来都市兵庫県らしい先進性、ストーリー性を県民の皆さんは無論、全国に広く発信していただきたい、そんな条例でありたい、あってほしいと思っているので、どうぞよろしくお願いを申し上げる。
次は、土木インフラ整備の着実な推進と投資事業費の確保についてである。
さきの代表質問において、我が会派の谷口幹事長の質問に対し、服部副知事からは、土木インフラは地域の安全・安心を守り、社会経済活動を支える県民の共有財産であり、計画的な対応が必要との答弁があった。
一方で、県政改革方針や令和8年度予算案では、本県の投資事業水準が類似団体と比較して2割程度高いと指摘されている。しかし、本県は日本の縮図とも称される広大な県域を有し、道路延長、河川延長、海岸保全区域延長が長く、類似団体と比べて多くの管理責任を担っている。地形が険しく、厳しい気象条件や過去の激甚災害を乗り越えてきた本県のインフラ整備を、標準財政規模のみを基準とした一律の比較によって評価し、安易に投資抑制を図ることは、大きな危惧を抱かざるを得ない。
令和8年度の投資的経費は、前年度比4.8%減の1,888億円と縮小傾向にある。しかし、現場に目を向ければ、深刻化する橋梁やトンネルの老朽化対策、こどもたちの命を守る通学路安全確保、さらには、山陰近畿自動車道等のミッシングリンクの解消など、県民生活の安全と利便性に直結する課題は山積している。特に、東西を結ぶ高規格道路、南北の高規格道路も同様であるが、そういった整備が災害時の代替路確保や地域経済の活性化において、一刻の猶予も許されない最優先課題でもある。
県政改革方針による財政健全化は避けて通れない道であるが、必要な投資を先送りすることは、冒頭でも言ったが、結果として将来的な修繕コストを増大させ、次世代に大きな負の遺産を押し付けることになりかねない。今、適切な投資を行わないことは、地域の衰退を加速させることにもつながるかもしれない。
このため、土木インフラ整備の着実な推進は非常に重要であると考えており、県の実負担を抑えつつも、本県の地理的特殊性等を十分に考慮し、必要な事業をしっかりと確保すべきと考えるが、当局のご所見をお伺いする。

○副知事(服部洋平)  本県は、太平洋、瀬戸内海、日本海の3海域に面し、全国12位の県土面積を有している。瀬戸内臨海部の低平な人口集積地、県土の3分の2を占める山地、県土の中央付近の分水嶺で南北に分かれる河川、海に囲まれた淡路島など、地理的・地勢的な特殊性も併せ持っている。
土木インフラは、地域の安全・安心や県民生活、社会経済活動を支えるため、先人たちがこれらの特殊性を克服し、これまで長い年月をかけて整備・維持管理してきたものである。結果的に自ずと管理対象施設は、その種類・数量とも類似7団体平均と比べても多く、整備・管理に関して潜在的に高コスト体質の県土構造を有していると考えている。
そのような中、河川の堆積土砂撤去、通学路の安全対策、区画線の引直しなど、地域の身近なニーズに応えるとともに、平成16年、平成21年、平成26年など大規模な豪雨災害後の河川改良復旧や土砂災害対策、また、東日本大震災を踏まえた事前防災のための津波対策等の実施により、県内各地の災害に対する安全度は着実に向上してきた。また、北近畿豊岡自動車道の延伸や東播磨道の全線開通などでは、時間短縮効果に加え、多様な効果を実感する声が寄せられているところである。
これらは、県民の共有財産として次の世代へ受け継いでいくべき重要なインフラである。まずは、令和8年度予算において、国土強靱化予算や地方財政措置の有利な起債等を活用し、県の実負担を抑えつつ、必要な事業量を確保していく。
とはいえ、本県の厳しい財政状況を踏まえると、歳出の見直しは避けられない状況にある。次年度以降行う投資水準の見直しに当たっては、他県との比較のみならず、委員ご指摘の本県の地理的・地勢的特性等を丁寧に分析し、あるべき水準と財政支出の均衡の道を模索していきたいと考えているので、ご理解のほどよろしくお願いする。

○北野 実委員  服部副知事の長年にわたり兵庫県道を守ってきたというそういったある意味誇りを持って、そして将来的にもしっかりとそれをやっていく必要があるという、本当に力強いご答弁だったというふうに思っている。先ほどもあったが、県民の生命・財産が守られたこと、見えにくい。例えば、2018年の西日本豪雨のときに広島や岡山ですごい甚大な被害が出たときに、兵庫県は既存ダムやその放流や河川整備の着実な積み上げで被害が非常に少なかった。だから、そういった着実に積み上げられた土木インフラ整備によって生命と財産が守られてきたということをしっかり我々も認識しなければならないというふうに思っているし、先ほど答弁でもあったが、国土強靱化実施中期計画の中で、国の様々な交付税措置を含めてそれを利用しながら、また、有利な起債をしっかり駆使しながら、この厳しい財政の中でもしっかり兵庫県の県土の強靱化を図っていただくようによろしくお願い申し上げたいと思う。ありがとうございます。
最後になる。中学校部活動の地域展開における県の役割についてである。
中学校部活動の地域展開については、国は昨年12月に部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドラインを策定し、令和8年度からの改革実行期間における部活動の地域展開等の全国的な実施を推進することとしている。部活動の地域展開は県民にとって非常に関心の高いテーマであり、これまでも折につけ本会議や委員会で質問があったところである。そうした議会とのやりとりも踏まえていただき、令和8年度予算案では部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進を新たに含む中学校部活動改革推進プロジェクト予算が大幅に拡充されている。
部活動の地域展開については文教常任委員会でも今年度の特定テーマとして調査研究に取り組んできたので、管内調査において県内各地の状況を視察し、また、声も聞いてきた。地域性の異なる県内各市町において現状は実に様々である。実施に向けての個別課題として、地域クラブ活動の実施主体の体制整備、指導者等の質の保障と量の確保、活動場所の確保、大会やコンクールの運営の在り方、生徒の安全確保のための体制整備など、共通する課題は確かにあるものの、それぞれの地域で、どの課題がより深刻であるのか、また、それぞれの課題の具体的な形も、相当異なっているわけである。このような現状において、県が果たせる役割はどのようなものになるのか。
部活動の地域展開は大きな変化を伴う改革であり、各市町教委や各学校において具体的に進めていく上で、一定の混乱が生じることは避けられない。トラブルは起こるもの、乗り越えるべきものという覚悟で取り組んでいく必要があると考える。ここで、県教育委員会には各市町教育委員会に対して全県的な視点や情報に基づく丁寧なサポートを提供することが求められる。
このことについて、昨年9月の定例会では、部活動改革を支援する新たなコンソーシアムと連携協定を結び、各企業や団体の強みを生かしたサポート体制の構築を検討していること、また、国の概算要求に触れた上で、県としても国の支援の枠組みを踏まえながら、市町とも連携した支援体制を検討することなど答弁された。コンソーシアムとの連携協定は既に締結されたと承知しているが、その上で、今年度準備されてきた推進方策を令和8年度事業としてどのように具体化されるのか。地域性が異なる県内各市町において各部活動の地域展開に対して、県が果たそうとされている役割について、当局のご所見をお伺いする。

○教育長(藤原俊平)  中学校部活動の地域展開についてである。
中学校部活動の地域展開は、いよいよ来年度からスタートする。国のガイドラインでは、県の役割は、一つには、県全体としての改革方針を示すとともに、市町へのきめ細かな支援を行うこと、二つには、個別の市町では対応が難しい取組への広域的な基盤づくりを行うこととなっており、県教育委員会としても、リーダーシップを発揮して県の役割を果たしていく。
まず、令和8年度当初予算に総額8.5億円を計上し、一つには、休日の地域クラブ活動の指導者謝金などの活動費への支援、二つには、経済的困窮世帯の生徒への参加費や保険料への支援、三つには、市町の実情に応じた移動手段の確保など体制整備への支援、四つには、平日も含めた地域展開の加速化に向けた各市町の実証事業への支援、そして五つには、学校部活動を継続する際の部活動指導員の配置支援など、各市町が地域の実情に応じた地域展開等が行えるようきめ細かく支援していく。
次に、各市町の課題に対し広域的に支援するため、一般社団法人ブカツ・サポート・コンソーシアムと今年1月30日に締結した連携協定のもとに、県が設置する地域クラブサポートセンターが丁寧に市町の課題等の聞き取りを行い、コンソーシアムに参画する18の企業団体の協力を得て、指導者の派遣やバス運行などの移動手段の支援などの伴走支援を行っていく。
また、指導者の質の保障と量の確保に向け、県独自の指導者認定講習会の開催や日本スポーツ協会公認のスポーツ指導者資格の取得への支援を進めることで、指導者の質の確保とガバナンスの強化を図っていく。さらには、兼職兼業の県版ガイドラインの策定や県としての地域展開ガイドラインの策定を通じて、円滑な地域展開等を推進していく。
今後とも、関係機関・団体としっかり連携し、全県一丸となって、部活動の地域展開に取り組んでいくので、よろしくお願い申し上げる。

○北野 実委員  問題なのは、地域格差ができて機会が平等でなくなる可能性があるというのが大きな問題だと思う。強いて言えば、また、経済的な理由で地域クラブへの参加ができなくなると、本当に機会の平等が図れないということが、これはやはり県広域行政、兵庫県の役割だと思っているので、先ほどもご答弁あったが、市町と連携しながら、横断的で柔軟な対応、機会の平等が図れるように広域行政として取り組んでいただきたいと思うので、よろしくお願いする。
最後に、和をもって貴しという言葉、まさしく聖徳太子、十七条憲法の第1条であるが、ただ単に仲良しこよしで物事を進めるということではない。いろんな立場とか意見を尊重しながら議論を尽くして合意形成を図り、より良い結論を導くという、本当日本の政治の原点という言葉である。今まさしく兵庫県政の運営において、僕は必要な言葉ではないかなというふうに思っている。
今一度知事におかれても、和をもって貴しとなすの精神のもと、分断や対立ということが今よく言われているが、地域や立場、世代による異なる意見をまとめて、それをしっかり受け止めて、議会との真摯な対話も重ね、それをリーダーとして大切な役割である合意形成をしっかり図っていただき、県民の信頼に応える、厳しい状況であるが、令和8年度の県政運営に当たっていただくことを願い、私の質問を閉じたいと思う。ありがとうございました。

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